自分用メモ

TSUDAさんの実況を自分用に時系列に直した。

カッツ「MySpaceの進化について話します。世界最大のSNS。アクティブユーザーが10億人、27カ国、6つの言語を使ってる」

カッツ「コミュニケーション革命においてMySpaceがユニークなのは、プロフィールがコンテンツ化しているところ。SNSにおいては社交の分野でコンテンツがバイラルの分野で口コミで広がっていく。これがコンテンツのインタラクションをもたらし量が増えていく」

カッツ「音楽の事例を紹介。リリー・アレンは常にコンテンツを更新しており、ファンが新しい楽曲を知り、友人に知らせるといったインタラクションが起きていて、これまでなかったアクセス数を記録し、地理的な境界も越えている」

カッツ「宇多田ヒカルはMySpaceでカラオケコンテストをした。それが米国まで広がった。これまで米国市場に参入できなかった他国のアーティストの参入障壁が低くなった」

カッツ「マクドナルドと一緒に行ったプロモーションがBicMacChant。80年代のマックのCMの歌をみんなで歌いませんかというキャンペーンをやった。何千万人もの人間が参加した。日本でもサントリーのカルアがキャンペーンとしてMySpaceを使って行った」

カッツ「最初はコミュニケーションプラットフォームとして使われたSNSだが、今はゲームや広告など、新しいウェブの変革が起きている。SNSはまだ進化途上」

登壇者はGREE田中さん、MySpace国際部門長トラヴィス・カッツさん。オーク・パシフィック・インタラクティブ(中国最大のSNSの親会社)のCEOのジョー・チェンさん、RockYouのランス・トクダさん。モデレータが日経新聞産業部編集委員の小柳さん。

SNSは世界のコミュニケーションのやり方をどう変えているのか。そのうちメールよりSNSの方が普通になるんじゃないかって言われているが、これって本当だろうかと思っている人もいるだろうが、SNSはこれからどれだけドミナントな存在になっていくと思うか

田中「今はゲームを通じてコミュニケーションのフックにしている。ゲーム会社ではなく、コミュニケーションを活発化させるためのツール。メールがなくなるわけじゃないだろうが、ブログやTwitterの境目がなくなっているように、相互に補完的構図になっていくだろう。ユーザーが選ぶ時代」


カッツ「メールよりSNSの方が主流になると思う。メールはなくならないと思うが、主流はSNSになるだろう。従来型のメールはトラフィックが全体的に減少している。若者たちはSNSを唯一のコミュニケーションとして位置づけている。メールは公式文書的なものになっていくのではにだろうか」


カッツ「SNSの目的はメールに置き換わること、ではない。何かしらのセグメント化が重要。家族、友人、ビジネス、これらを棲み分けしていくということが皆様のニーズじゃないか。SNSがそうしたニーズに完全に応えられるようになるまではメールもまだ重要な存在だろう」


チェン「中国ではSNSがコミュニケーションツールとして使われてる。ただ、メールに置き換わるわけではない。私は2つのSNSがあると思う。facebookのようなコミュニケーション中心のSNSと、ゲームがデフォルトで搭載されているようなエンタメ系SNS。各社がどっちかを選択していく」


チェン「今は競争も厳しくないが、競争が激しくなっていったら、各社ともキャラクターを強く打ち出したり、専門性を強くするなどの選択を5年後くらいには迫られるのではないか」


トクダ「MySpaceは自己表現に強く匿名性も高くキャラを演じられる。facebookは自分のアイデンティティーをはっきりしなければならない。facebookはニュースというより、ゲームやクイズのプラットフォームになりつつある」


トクダ「facebookのメインターゲットは21歳から24歳」

新聞社から見たらSNSはニュースフィードも重要な機能で、競争者と言える。SNSはマスメディアと補完的な役割を果たすのだろうか

田中「我々もテレビでたくさんCM打ってるし、そうしたマスコミでのプロモーションを積極的にしているから、これだけ会員数を取れていると思っている」


カッツ「SNSが提供するのは口コミ効果の強化。世の中の動きは友人から聞くということが多い。オリジナルの報道がSNS上で行われているケースはまだ少ないが、twitterのように、情報の伝搬速度を加速しているようなものも出てきて、SNSとニュースの関係も変わりつつあるのではないか」


カッツ「ニュースの普及をどれだけ早くできるか。ユーザーからニュースを生成してカメラを通じて報道するようなことも起きている。しかし、MySpaceは一次ソースではなく、二次的に広めるメディアであり続けるのではないか」


チェン「中国は特殊。メディアの大半が国有化されているから。民間企業がニュースを生成する能力がない。SNSは従来から生成されているニュースを配信する手段でしかない。SNSはニュースを加速化させるもの。原動力となるのはこれからも新聞社や通信社じゃないか」


チェン「SNSによって既存メディアが恩恵を受けるのではないか。米国の新聞社などはSNSの伝搬力を活用し始めている」


トクダ「我々のアプリで一番共有されているのは画像。ニュースなどのまじめなコンテンツはあまり共有されない。となると一次ソースを作っている既存メディアの強さは当分変わらないのでは」

「中国ではどんなSNSがある?」

チェン「我々はSNSで競合はIMなどの従来のコミュニケーションサービス。大きな成長を遂げている業界だが、どの会社も何かに特化していかざるを得ない。いくつかのSNSを我々もやっているが、どれも今後は何かに特化していくだろう。競争は常に存在し、それぞれ違う戦略でやっていきたい」


チェン「中国の規制は非常に厳しい。MySpaceに参入したが、中国とのジョイントベンチャーという形にしなければならなかった。orkutがブラジルでブレイクしたように、とにかく早く参入するということも重要。その土地の文化や規制にどれだけ合うかということも重要」


カッツ「ジョイントベンチャー作ったのは、中国からの投資を受けることもあるし、規制の制約を逃れるというところもある。ソフトバンクと組んだ日本と中国だけでなく、ロシアもジョイントベンチャー形式でやっている。ロシアも規制が多く、事業環境が厳しい」


トクダ「上位のアプリケーションの人気はSNSによってまるっきり違う。プラットフォームごとに人気のアプリケーションも変わる。ただ、今のような競争状態は長く続かず、どこかで支配的なものに集約されていくのではないか」


チェン「今テストしているのはソーシャルゲーミングプラットフォーム。ウェブベースのゲームを配信していく。ブラウザベースのRPGを作って人気を博した。中国はネットゲーム市場が非常に大きく世界最大といってもいい。開発も活発で中国にとってネットゲームはグローバルな競争力を持っている」

次の質問「GREEの垂直統合モデルは世界潮流と比べて、どうなの。今後は?」

田中「ネットの歴史を考えると、必ずオープンだったものが勝ってきたかというと疑問。そこまで簡単なものじゃない。ゲーム業界でいえばアタリショックのようなものもあった。今ゲームで売れてるのは任天堂のハードの特性を活かしたソフトが売れてる。何でもオープンにすればいいわけじゃない」


田中「変化率の高い時代は、プラットフォームとアプリを両方作れる我々が変化に対応しやすいと思っている。PCでもオープンじゃないアップルのようなものが売れ始めている。今はこれでうまくいっているので、うまくいっているうちはこれでいくつもり」

プラットフォームにアプリを提供して急成長しているのがRockYou。マネタイズや広告の面でアプリの方が有利だと思うが、プラットフォームになるSNSはこの先儲からないんじゃないか?

トクダ「広告モデルについては私たちとfacebookと我々で競争が存在するかも。CTRはうちの方が高い。デジタルグッズについてはすべてを囲い込むかオンライン通過を作って手数料を取るかどちらかのやり方がある。独自で良いアプリケーションを作るためにはオープンなプラットフォームが必要」


チェン「SNSで利益を上げることについては強気。今はまだソーシャルベースの広告市場が十分に成熟していない。ソーシャルコマースの実験にとどまっている段階。今後は友人関係を考慮して、一人の友人が何かの商品を使ったときにそこから広告やコマースにつなげるなどのやり方も考えられる」


チェン「5年後はオンラインゲームの配信企業がグーグルよりも高い時価総額を持つのではないだろうかと思っている」


カッツ「MySpaceはSNSではもっとも利益を出し、4年以上広告収入ベースで利益を出し続けている。我々はプロフィール情報からデータを得ているので、行動ターゲティング広告が強い。これはほかのプラットフォームではできていないこと。クリックレートは非常に高い」

ネット広告の世界ではSNSの普及とともにオンライン広告の在庫が爆発的に増えたと言われている。広告業界の人はSNS普及で広告の値崩れが起きているんじゃないかと言ってる。それに加えて金融危機で広告予算が削減されてる。この中で広告モデルは今後も有効?

カッツ「金融危機で広告全体は落ちているがネット広告は必ずしもそうではない。オンラインの広告は需要も供給も増えている。その中で適正な価格が決まってきている。MySpaceが成功できたのはリッチな広告体験を与えられたから。MySpaceのターゲティングは関心分野別の広告で効果が高い」


チェン「中国ではオンライン広告はグローバル市場に後れを取っている。大手のポータルでページのどこに広告を入れるかといったことすら十分に検討されてなかった。そのあたりを我々は検討して実験をしたらCTRを上げることができた。広告は増やしたいが、増やしすぎてユーザー体験を損ないたくない」


トクダ「従来のメディアよりオンライン広告の方が予算が高くなっている。その分広告に求められるものも大きくなっているが、それはCTRを上げることで対応できる」


JFMI