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若いときは、自分が無理をして働いているのは、
自分の決意や意思の問題だから、
誰の迷惑にもなっていない、と
思いがちなんですけどね、そんなこたぁないんですよね。
「あいつ、大丈夫かなぁ」と、心配している人がいて、
その人の心のなかにある
「安心」という栄養を消費させているんです。

「健康で元気で、無理をせずに、しかも懸命に歩む」
こういう仲間が、いちばん頼りになるものです。

社会に出ると、
答えにたどり着くのが上手な先輩とか、
答えを引き出すことが得意な上司だとか、
人を答えのほうに歩ませていくリーダーとか、
いろんな頼りにできる仲間はいるけれど、
間違いない答えを知っている人は、
いない場合がほとんどである。


誰にも答えがわかっていない問題を、
なんとかするのが、社会での仕事だ。
さらに言えば、問題そのものを発見することが、
答えを導き出す以上に、大変な仕事なのだ。

糸井重里