ZOZOが増殖している。

久しぶりに真面目ネタを。IT系お買い物担当のDSです。


ZOZOTOWNをみなさん、ご存知だと思うんですけども、
いわゆるアパレルブランドを集めたECサイトですよね。
http://zozo.jp/
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ここのすごいところは、やっぱり「ブランド」ということになるんでしょうか。
ECサイトで一番大事なのは、お客様との信頼性だと思っています。
本当に本物が届くのかしらとか、きちんとした請求がくるのかしらとか、個人情報が漏れたりしないかしらとかね。
知られていないECサイトだと尚更、警戒しますし、まず買い物するというところまでなかなか行き着きません。
そこをZOZOは、有名なアパレルブランドを集めるということでカバーしたわけです。
そのため、ZOZOは非常にインタフェースのデザインに凝ったシステムになっており、
ECのシステムとしては、そこまで優れているという感じではありません。
そういうところも非常にアパレル的だね。


あと、それよりももっとすごいと思っているところは、会社が幕張にあるところです。
つまり、物流を自前でやるという判断をかなり早めにしたというところですね。
これ、まじ英断。ZOZOすごい。
ECというと、実際には倉庫とかなくてもできてしまうので(楽天とかドロップシッピングとか)、
どうしてもコストをかけない判断(物流は自前で持たない)になりがちですが、ZOZOは違った。
ここはもしかすると、取引先が日本ではそれなりに有名なブランドなので、そこから、
「うちの商品扱ってもいいけど、うちでEC用に物撮りしたり、発送したりは無理。そっちでやってよ」
とかってダダこねられたのかもしんないですけど、これが結果的に効いてきてます、今。


まず、発送の品質を安価で保つことができたということ。
楽天のように自前ではなく、いろんな店舗の集合体だと、各作業が店舗に分散するので、
スケールメリットをだすことは難しいですし、小さな店舗に大量に注文が入った場合、
注文処理を捌き切れずに、発送遅れなどが発生します。
楽天の配送料が高い(Amazonなどに比べて)のは、このためですね。
物流を自社でもってスケールさせたことは、ZOZOが成長するのに大きなエンジンとなったと思っています。
ZOZOでお買い物をする人たちをどんな人達なのかなって考えてみると、
「ブランドものに興味がある」んだけど「お店が近くにない」人たちだと、まず思うので、
つまり「地方在住」の方なんだろうなと思います。だから、発送が早いほうがいいじゃないですか。
倉庫があれば、在庫もおいておけるので、より早く対応できますしね。
コストもスケールできるし、品質も上がるし、一石二鳥。


そして、そのために、アパレルブランドの自社ECサイトのシステムのOEMを請け負うことができたということ。
http://store.united-arrows.co.jp/

http://shop.beams.co.jp/

これ、どちらもZOZOのシステムを使っています。
つまりZOZOがHP制作会社でもあり、ECシステム提供会社であり、データホスティング会社でもあり、
しかも、物流も担っているということです。
ECシステム提供会社であるということは、顧客情報管理と結びつくので、CRM的な要素も握っていくでしょうから、
今後、ZOZOはそちらの方向にも事業展開をしていくのかもしれないなと思っています。
これらのことができたのも、幕張に社屋+自前の倉庫を持ったからこそ。英断だなと思います。
同じようなシステム、つまり強力なECサイトと自前の物流をもっているECサイトとしては、
みんな大好きAmazonがありますが、アパレルに関しては、ちょっと水をあけられている状況ですね。
もちろん対策はうっています。
 ▼Amazonのユナイテッドアローズのページ


アパレル業界は、今、本当に、ものすごい売れてないみたいなので、
EC化の流れは今後加速していくと思います。
その中で、ECの王者「Amazon」とアパレル業界のCTO「ZOZO」が、
どのように戦っていくのか楽しみです。やじうま的にはですけどね。


個人的には、いいものがやすく買えればいいので、どっちでもいいな。
洋服はお店も近くにあるし。